醍醐寺(上醍醐エリア)(京都市伏見区)

好きなテレビ番組はアド街ック天国とタモリ倶楽部です、森田、森田です。

今回は上醍醐のほうに行きたいと思います。
醍醐寺は広すぎる。というか、山そのものが醍醐寺なのでしょうがないですね。

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まず前回の弁天堂からさらに奥に行くと、上醍醐の入口のほうに行きます。
修験霊場でしたから、当然のように鳥居がある。

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ここに成身院(じょうしんいん)、通称女人堂があります。江戸時代の建物(のはず。それより前なら重文になってる可能性が高いし、近代のものなら府の文化財にもならないので)で府の文化財。
まあ、名前でわかりますが、ここから先は女人禁制だったということですね。
ここでお金払って山をのぼります。600円かかる。
当然そんなこと書いてないから推測ですけど、これ、お金儲けが目的ではなくて中途半端な覚悟の奴が来ないようにバリアー張ってる気しかしない。一般人は金払ってさらに一時間ものぼらないですからね。無料だと10分歩いてやっぱりやめたみたいなカジュアルな辞退ができてしまう。

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さてのぼっていきましょう。3キロ弱の道のりですが、結局山上伽藍の中もまあまあ歩くから奥まで行くと3キロは超える。

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山道は写真はパス。いきなり山上伽藍へ。
清滝宮拝殿は1434年のもので国宝。

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こちらが正面。ああ、こういう玄関あるなあと思いそうになりますが、国宝です。

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湧き水が出てます。

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水が出る場所もかなり神聖な感じです。

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今も出ているようで、飲める。

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1121年に建てられた薬師堂も国宝。ぶっちゃけ平安時代の建物で国宝じゃないのはほぼないです(そのあとの大幅な修理による改造は除く)。

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角度を変えてもう一枚。

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山上伽藍はひたすら平べったいわけではないので、次のたいらなところを探すように歩いていきます。

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こちらは山上の中心施設の五大堂。役行者が前にいる。建物自体は新しいです。昭和のはじめのころのもの。一応補足しとくと五大堂というのは不動明王を筆頭とする五大明王が祀っているからです。

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角度を変えてこちらももう一枚。

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如意輪堂は1613年に秀頼が建立したもので重要文化財。平安の建物があるので、なんか慶長年間でもものすごく新しく聞こえる。

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こちらももう一枚撮影。

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一番奥にあるのが開山堂。1606年の再建。秀頼がけっこう金出してるのにあんまりご利益なかった気がする。

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横から撮影。ここから岩間寺のほうに昔の巡礼は歩いていきました。まあ、僕も昔同じルートで霊場回ってたのですが。

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開山堂を横から撮影。山頂も近い。標高はだいたい450メートル。

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今回は素直に引き返す。

行き方
(醍醐寺自体の行き方は一個前のブログに)
入山料 600円。入口の女人堂で払う。
ただし、だいたい山道を3キロほど進むことになるので上までたどり着けないと、ただ山道を歩くことに600円払うことになるので覚悟が必要。
こういう奥之院的なポジションのところはしんどいと言うだけ言ってて、けっこうたいした距離じゃないところも多いが、ここはそれなりに体力を使う。また、基本的にずっと上り。
ハイキングコース自体は山頂からも続いている(過去に滋賀県側に出たことアリ。その時は岩間寺を経由して石山寺まで歩いた)が、相当な距離になるので準備なしでやるべきではない。


次回は醍醐寺のほうに下山して、ふもとの寺社を巡って、山科区のほうにも足を伸ばします。

『伊達エルフ政宗』、発売まで40日を切りました。
今回はキャラを何体か紹介します!

景綱

片倉小十郎景綱

成実

伊達成実

佐竹

佐竹義重
こいつはアルラウネです。

3月後半に西の離島巡りをするので、ちょっと更新頻度が不定期になるかもしれませんが、ご了承ください。とりあえずあと2回はこのままのペースでやるかと思います。
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万福寺・善慶寺・新田神社など(東京都大田区)

好きなテレビ番組はアド街とタモリ倶楽部です、森田です。

今回は馬込文化村あたりから池上の南側(つまり池上本門寺以外)の史跡をめぐります。本当にそろそろ東京23区の史跡めぐりは終わりに向かいかけておりますので、多分もうすぐ他県や多摩エリアに移るかと。

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今回は都営浅草線の終点、西馬込駅から徒歩。まず大田区立郷土博物館へ。入場無料。いかにも昔からある古臭い感じが逆にいい。なお、ここに来る途中は馬篭文士村と言われたところで、いろんな文化人が住んでました。そのせいか下町感と山の手高級感が交錯してる感じがします。

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ここからさらに山の手っぽい方向に歩いていくと、万福寺が。ここは梶原景時創建と言われています。かにも文化財っぽい茅葺門ですが、違います。

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梶原景時の息子景季の名馬「するすみ」の像。

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新しいが鐘楼門がかっこいい。

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梶原景時の墓もあります。どうでもいいが、梶原景時は読んだまんが日本の歴史でずいぶん老けた老政治家みたいな顔で登場していたせいで、武断派イメージが全然ないのだが、おそらく実情とは相当食い違ってると思う。

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ここから力技で強引に歩いて善慶寺へ。

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ここには新井宿義民六人衆の墓があります。これ、将軍への直訴を計画してたものの密告者が出て失敗して処刑された人の墓なんですが、本来、罪人だから墓は作れんわけですね。なので、正面にほかの人の名前を書いて、違う面に処刑者の名前を書いて、隠してたと。

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なお、境内の中に神社の参道があります。この構造はちょっと珍しい。

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熊野神社が階段を上がるとあります。
この神社には外からもアプローチできるので、そういうルートで寺に行くことも多分可能。ただ、道が複雑なので地元民しか難しそうです。自分も最短ルートに失敗してまわりこみました。

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善慶寺のあたりは大森駅が近い。ここから池上方面へバスで出てそこからまたひたすら徒歩。途中で東急の駅の横を通る。

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多摩川の河原の矢口の渡しの跡地。

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ここから北上して古くていい感じの商店街を歩いていくと、新田神社が。新田義興(にったよしおき)という南朝方武将が、このあたりで謀殺されていて、そのたたりを回避するための神社です。さて、ここで平賀源内のとある話のタイトルが出てこないでしょうか(出てこないと思います。自分も多分出てこないです)。
『神霊矢口渡』という浄瑠璃・歌舞伎があるのですが、そう、矢口渡の近くで起きたこの事件を扱ってるわけです。

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右側は恋人的な少将局という人。ただ、もうちょっと二人の距離を詰めたほうがいいと思う。

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この伝説が事実だとすると、これ、謀略起こした側が作ったのではなく、地元の人間が怖がって作ったのだろうか。御霊信仰の影響が南北朝期に続いてるのか、祀られているのが神社化されやすい南朝勢力なこともあって、実際どうだったのか気になるとこではあります。

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昔の道標が移築されてます。奥は新田義興の塚。

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縁結びを押しているみたいだが、絵が異様にギャルっぽい。
子供の遊び場的な卓球台などもあり(実際子供が遊んでた)、全体的に地域の鎮守的ないい雰囲気の神社でした。おそらく前の商店街も神社の参道的意味合いだったのだと思いますが、そういう歴史と結びついているからかしっかりそこに腰を据えてる感じがして頼もしいです。

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ここからちょっと歩くと、頓兵衛地蔵が。これも新田義興関連の史跡で、新田義興をだまして殺した頓兵衛という船頭がそれを悔いて地蔵を祀ったものだとか。まあ、それは伝説だとは思いますが、やはり御霊というのは怨念が元になってるだけあって伝説の強度が高い感じがします。

行き方
今回あまりにも離れているものを無理矢理めぐっています。
郷土博物館・万福寺――都営浅草線西馬込駅から徒歩。博物館は入場無料。
善慶寺――JR京浜東北線の大森駅から徒歩が便利。
矢口渡跡地と新田神社など――東急多摩川線の武蔵新田駅が神社には近いが、このあたり駅間距離が短いので、矢口渡駅・下丸子駅も利用可能。


ここから告知。
『不戦無敵の影殺師』4巻よろしくお願いします!
18日に発売です!
こちらから通販ページに飛びます。
また、『ストレンジガールは甘い手のひらの上で踊る』もMF文庫より25日に発売です。
こちらに作品紹介があります。ぜひごらんください。

あと、森田がモデルになっている4コマ漫画、渡辺伊織さんの『ゆとりノベライズ』1巻が発売中です!
ここが特設ページです。
また、ヴィジュアル系語らナイトというトークイベントを5日にやります。よろしくお願いします!
詳細はこちらに。

次回は奥多摩の青梅市内の史跡をめぐります。

二次災害防止のために

このたびの地震、被害に遭われた方は本当に辛いだろうと思います。
今回、自分は遠方のため無事でしたが、過去に阪神淡路大震災で神戸市で被災した身としては、決して他人事ではありません。
そこで、本当に微力ではありますが、過去に自分が被災した時に学んだ二次災害対策を書かせていただきます。起きてしまったことは止められませんが、二次災害は減らすことができます。一件でも怪我をする人が減ってくれればうれしいです。


○外出時

まず、毛糸の帽子など頭を守るものを着用して外出して下さい(阪神淡路の時は児童は登校時、かぶらされました)。とくに幼いお子さんをお持ちの方は必ず、帽子をかぶらせてあげて下さい。
これは、①頭上 ②足元 の危険を減らせます。

まず①頭上 です。
倒壊危険のある家屋・瓦・看板・塀などに注意して下さい。
とくにブロック塀は一見安全なようでも、余震を受けて急に倒れるリスクがあります。
できる限り近寄らないで下さい。

②足元 です。

激震地でなくても、路面が陥没したり倒壊したりしている箇所がある可能性があります。また、瓦や瓦礫が足元に散乱し、つまずく危険があります。とくに二輪車は転倒の危険が高いです。
また、お子さんが足元の瓦礫につまずいてこける危険がかなりあります。自分の経験ですが、小学生の時にこけて頭を強打した経験があります。お医者さんも少ないので、特に注意して守ってあげて下さい。

○避難所内

同じ姿勢でじっとしていると、エコノミー症候群によって体調を壊すことがあります。体を動かすスペースもあまりないとは思いますが、ご注意下さい。

また、水分を必ず補給して下さい(これは避難所でなくても同じです)。夏とは違って汗をかいたりしないので、わかりにくいのですが、じっとしているだけでも多くの水分を消費しています。

また過去の震災の時も、助け出されたお年寄りが避難所で体を壊してしまうことが多くありました。もし、近くに苦しそうな方がいらっしゃいましたら、お声をかけてあげて下さい。ただでさえ、親しい方を亡くされたり、家とは違う慣れない場所にいることで、精神的に参っておられる人が多い状態です。話せる相手がいるだけでも、本当に支えになります。自分も避難所で寝泊りした時、知らない人と話ができて、本当に心が休まりました。

○水・食糧

一部の店で食料品を求めて騒然となるところがあるかもしれませんが、日本はそこまで広い国ではないので食糧はいきわたります。
とくに東京周辺で、食料品が尽きることはほぼありえません。人が集まり、(あくまでもしもの場合ですが)ケンカが起きたりすることのリスクのほうがはるかに高いです。



○体調管理・情報管理

ひどい経験をしたせいで、とてもいつもの気分ではいられないとは思いますが、体を壊さないためにもできるだけ、可能であればいつもと近い生活リズムで暮らして下さい。

体を壊してもお医者さんの人手が足りませんし、本当に必要な方がお医者さんにかかるのが遅くなるかもしれません。
また、地震の復興は長い、長い戦いです。長く耐えられる生活のリズムを維持するようにして下さい。

また、根拠のわからない噂に注意して下さい。
阪神淡路の時、被災当日の自分のいた避難所では、ガスが漏れているという噂が出ましたが、おそらくそういう事実はありませんでした。情報が錯綜するとは思いますが、ご注意下さい。



最後に

本当に長い時間がかかりますが、復興は必ずできます。どうか、戦い抜いて下さい。

ともだち同盟 配信について

どもども、森田です。

本日(11月13日 土曜日)夜8時から、ゆりいからもさんの主催するツイッター読書会の配信にゲストで参加します。


ここでやります。開始時刻にならないと、スライドショーしか映ってませんが。



あと、今月発売されるコミック百合姫にて、短篇を一本掲載します。百合雑誌なので、人によってはハードル高いかもしれませんが……是非是非お読みくださいませ!

『ぽてまよ』と母性およびディスコミュニケーション

デビュー前に適当に見たアニメとかについて長文を書いて、友人のブログに寄稿していたりしてたんですが、その一部が森田季節名義で、どうも検索かけたりするとたまに引っかかるようですせっかくブログも作ったので、こちらのほうで再録することにします。

まず、2007年10月にアニメ『ぽてまよ』について書いたものを一つ。このとき、『ぽてまよ』にはまっていたので、それについて書いたものです。当然、過去のアニメだし、『ぽてまよ』知らないと何もわからない文章だと思いますが……。しかも、私自身アニメについてしか見てなかったんで、かなり不十分なものになっているかと思われます……。

ここまでエクスキューズを並べてまで載せる意味もあまりないんですけど、自分の名義で書いてたものが自分で管理できないまま違う場所にあるというのも不気味ですし、こっちで管理することにします。


『ぽてまよ』と母性およびディスコミュニケーション


 2007年第三四半期は、京アニの『らき☆すた』はじめ、なのは3期、絶望先生・グレンラガンなど重要作品がことごとく終わった。そのなかで、そういったメジャータイトルと比べると地味に『ぽてまよ』も1クールの幕を閉じた。
 正直、上にあげたような作品はさんざんウェブ上でもいろんな意見が書き散らされるだろうが、『ぽてまよ』はそのまま忘れられそうな予感大である。なので、備忘録的に『ぽってまよ』がいかに重要な作品だったかつけておこうと思う。なお、漫画のほうをまだ買ってないのでアニメだけで語ります。

 まず、『ぽてまよ』は高校生のクラスメイトたちを中心としたやりとりの中に、「ぽてまよ」(および、ぐちゅ子)という2頭身の変な生き物が入ってくるコメディアニメだ。普通の学園生活に異物が混入するスラップスティックコメディというのは、ギャグ漫画やコメディ漫画の典型の一つだと思うが、『ぽてまよ』もその一作に数えて問題ない。
 ここ近年、そういったコメディ設定を軸に物語を展開した作品としては、『吉永さん家のガーゴイル』があげられる。『ガーゴイル』が優れた作品であることはどっかで書いたと思うが、それに負けず劣らず『ぽてまよ』もよい。以下、重要な要素である‘すれ違い‘をもとに話を進めていく。その点にしぼったのは、作品全体を包括した論を書けるほどの能力がないためでもあるが、やはりこの作品の核となる部分が‘すれ違い‘ にあると考えるためである。

 まず、『ぽてまよ』のアニメを見て最初に目にするものは何か。もちろんOPだ。あ、別にギャグではありませんよ。OPの歌詞がまさにこの作品の主題をもう語ってしまっているのだ。この主題歌のタイトルは「片道きゃっちぼーる」(唄:MOSAIC.WAV)だが、これはボールを投げても何も返ってこない、投げっぱなし状態のことで、もろにディスコミュニケーションの暗喩である。この曲は全篇通じて形の整わない折り紙とか、結び方のよくわからない赤い糸とかコミュニケーションの不都合をあらわす比喩表現で埋め尽くされている。というか、歌詞のなかに「ディスコミュニケーション」とか「かみあわない」とか言ってしまっている。で、この曲の主題は最終的に、この世はコミュニケーションの難しい「ズレた世界」だけど、ズレたまま仲良くやっていけばいいだろうという結論で終わる。むしろ、ズレを修正しようとする行為にははっきりとは書かれていないが、否定的なニュアンスが強い。ここまでアニメの主題と一致した歌詞の曲をOPに持ってくる時点で、製作側のそつのなさを感じる。OPやEDまで含めて完全に作品の一部になっているのだ。(註1)

 ではディスコミュニケーションが作中ではどう扱われるのか。多くのコメディと同じように、『ぽてまよ』でも作中のキャラがほかのキャラを一方的に好きになって報われないという視点がよく見られる。これはクラスメイト同士での恋愛のベクトルだけではない。もっと広い意味での人間関係の緊張とか対立を含む。
 たとえば主人公の森山素直(すなお)は父の皇大(こうだい)のどこか破天荒な性格をかなり嫌っており、しばしば父親を殴る描写がある。基本的にクールで、明らかに自分に好意を持ってることがわかるみかんというクラスメイトの女子にすら一貫して中立的な態度しか示さない素直が、父親にだけははっきりと不快感を表明する。このことはアニメのラストのほうでなされた、素直の母親(つまり皇大にとっては妻にあたる)の死の話ともリンクしている。母親の死のとき、皇大は研究先の外国から帰るも間に合わず、素直母親の死を一人で看取る。このような描写にも、作品の底を流れるテーマである‘すれ違い‘が現われている。
 皇大は妻をないがしろにしたわけではない。純粋に間に合わなかったのだ。だが、だからこそその罪は深いともいえる。ディスコミュニケーションというのは利害的対立にある人間に対して言われる言葉ではない。それは単なる対立そのものだ。コミュニケーションをしようという意思があるにもかかわらず、関係がうまく運ばないこと、それがディスコミュニケーションのはずだ。実際、作中の人物は基本的に善人で、悪意が行動原理になっているわけではない。にもかかわらず、ぐちゅ子が自分を世話してくれる高見盛京のお礼に、豚の頭を切り取ったものや牛の死体をプレゼントしてしまうことに代表されるように、しばしば善意は大きなお世話になってしまう。
 それは主人公の父子関係においてもそうで、父親皇大の過剰なスキンシップは素直にとって鬱陶しいものでしかない。皇大は普段は外国で仕事をしており、我が子と会える時間は限られている。まして子供には母親がいない。そういった設定を踏まえると、皇大の子をかまうのは多少は冗談半分のところがあっても、子を想う真面目なものだ。だが、素直はそれを受け入れることができず、父親を殴る。最終的にはそのことをみかんに咎められ、父親と和解するのだが、明らかにこの父子の和解がこのアニメが描こうとしたものの一つに思えてならない。

 無論、ほかのキャラの間でもディスコミュニケーションはついてまわる。ヒロインにあたる夏みかんは主人公の素直に恋心を抱いている。割と露骨なのでさすがに素直も気づいているのではと思うが、正面から告白されてないからなのか、何の反応も示さず、結局最終話まで恋愛が終わることも始まることもなかった。本編途中からは重度のシスコンの弟の夏哉純(なつ やすみ)が転入してくる。彼は素直と姉の仲が進展しないよう、妨害を行おうとするが根が善人のため、「していま一つ冷たい態度に徹することができない。結果的に素直からは「いい奴」と思われている(wikiより引用)」。また、この哉純は関とまりという小学五年生の女子からひょんなことから好かれるようになる。このようにボールの返ってこない片思いが連鎖し続ける。

 一方で、マスコットキャラにあたるぽてまよ(註2)のことを愛しているキャラもちゃんといる。素直のクラスメイトの桐原無道は小動物的なかわいがり方ではなく恋愛感情を持っているが、非常にぽてまよからは嫌われている。渾身の思いで出したラブレターは誤って春日乃ねねに届いてしまい、以後彼女になかば奴隷的に使役されることになる。また、この桐原によく行動を共にしてる初芝薫(注意 男)は惚れており、薔薇な関係である。まあ、そんな恋は成就しないが。

 同じくクラスメイトの高見盛京はぐちゅ子というぽてまよ同様の奇妙な生物に優しく接し、やがてぐちゅ子は高見盛家の木の上を寝床にするようになる。しかし、ぐちゅ子はお菓子をもらったお礼として牛の死体や豚の死体をそっと置いていくことはあっても、それ以上のコミュニケーションを誰ともとろうとせず、基本的に孤高を保っている。高見盛家は一家揃ってぐちゅ子に寛容で、彼女?(註3)がガラスを割っても怒ったりせず、逆に家に入れようとするくらいだ。それをぐちゅ子が拒むと、今度は犬小屋のようなものを作って住まわせようとする。ぐちゅ子は雨風が吹いても小屋に入るのを潔しとしない。

 さて、主人公の素直自体は自分が育てることになったぽてまよとどう接しているのか。彼はぽてまよに対して見事な親として振舞う。厳しすぎず、甘やかしすぎず、何かしつけるときには理由を教え、理不尽な態度を決してとることがない。おむつを替えるような汚い仕事も嫌な顔一つしない。話の序盤では父親も帰ってきていないので、素直は一人暮らしの高校生である。その境遇で彼が理想的な親として接するのは、彼が自分が獲得できなかった理想的な親子を無意識に求めていることにほかならない。彼はほとんど感情を表に出さないが、逆に彼が恋い慕うものが垣間見えてやるせない。ただ、そんな彼が唯一心から微笑むシーンがある。それはぽてまよとほお擦りするシーンだが、一番典型と言えるのがEDのラストの場面である。このとき、彼の表情は見る者に母性を感じさせる。それは彼が幼くして最期を看取った母親に共通するものだ。そもそも、スカートをはかないといけなくなる回があるくらいに、彼は見た目からして中性的であり、父性を感じさせる要素が少ない。それは彼が失った母親像を追い続けている証左である。しかし、そういった素直の欲望は彼のクールな表情からはほとんど漏れ出てこない。そのギャップが素直を主人公としてとても魅力的な人格にしている。

 このように『ぽてまよ』では関係性の軸は必ずずれてすれ違う。明確な好意の表明すら、キャラクターを幸せにはしない。桐原のラブレターの伝達ミスが象徴するように、思いは届けたい相手には届かないのだ。『ぽてまよ』はそのディスコミュニケーションをほどよくのんびりした空気でコメディに仕立てているから、ちょうど見ている側に心地よい。これが『らんま』みたいな過剰なアクション展開があると、読者が疲れただろう。
 タイトルこそ『ぽてまよ』だが、人でないこの生き物がほかのキャラをふりまわすこともなく、延々と日常のうちのちょっとかわった体験――墓参りとか誕生日会とか写生大会とか――が語られる。だから読者は肩の力を入れずに作品を見れるのだが、その底には予想以上に複雑な素直の心の動きがある。それをてらいなく表現したところが、『ぽてまよ』の良作たる所以なのだ。
 最終話でも素直は厳密には父親の皇大を許したわけではない。だが、彼は父親という自分と異質な個性を認める。違いそのものを受け入れること、それがコミュニケーションに一番大切なものだ。キャッチボールは相手に投げる場所を厳密に指定してやるものではない。少し横にそれたり、ワンバウンドになったりすることがあってもそれを許容する心が必要になる。
 最終話で、ぽてまよとぐちゅ子はそれぞれ自分の花からできた種から自分と性格が真逆の子供を生む。素直と高見盛京はそれぞれの子供を躊躇なく受け入れる。これは素直が父親との葛藤を乗り越え、親となる側にまで成長したことを暗示させる。もはや彼にとって母親は追いかけるものではなく、自分自身に体現されるものになった。彼は新たに生まれた子供を胸に抱きかかえつつ、父親としても正しくしつけるだろう。ストーリーのラストで素直は子供を卒業し、正真正銘の親となる。
 ギャグを基本にしつつ、主人公の成長を正面から描いた、それだけのことができた作品は冷静に振り返るとほとんどない。だからこそ、『ぽてまよ』は優れた作品なのだ。なんか堅苦しいことを長々と書いてきたが、このアニメは本当に気軽に見れて楽しい。スラップスティックでいて道徳的にもとても筋が通っている。こういうのこそ、子供が見る時間帯にすべきなんじゃないかと思う。というわけで、私は『ぽてまよ』を応援する。これで作品に興味を持ってくれる人が一人でも増えれば幸いである。


(註1)まあ、ある意味『らき☆すた』もEDは作品の一部だと言えると思うが、ちょっと意味が違うと思う。まあ、そもそも最近の(別に最近になって急にそう変化したという意味ではない)邦楽の歌詞は具体性がないものが多く、なんとなく頑張ってたり、戦ってたり、努力してたりすることが伝わるだけなので、作品とリンクしてるのか判断のしようがないのだが。中川翔子や水樹奈々の歌詞を想起してほしい。極めて抽象的なことに気づくはずだ。

(註2)広義では、一応人間ではないぽてまよとぐちゅ子も美少女キャラに入るのだろうが、さすがに2頭身なので、ヒロインではなくマスコットとしておく。

(註3)女っぽいが性別は本編では不明である。ぽてまよ同様、花が頭から咲いたので、どちらか判断する次元ですらないかもしれない。ただ、見た目は女の子であろうと思う。ウィキペディアでも「見た目はロングヘアの幼女」と記述している。


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デキる神になりますん2 (ファミ通文庫)(2012/06/30)
森田季節

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お前のご奉仕はその程度か?4 (GA文庫)(2012/06/16)
森田 季節

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神聖魔法は漆黒の漆原さん2 (MF文庫 J も 2-9)(2012/05/24)
森田季節

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デキる神になりますん (ファミ通文庫)(2012/03/30)
森田季節

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ノートより安い恋 (Yuri-Hime Novel)(2012/03/17)
森田 季節

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落涙戦争(2012/03/07)
森田 季節

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お前のご奉仕はその程度か?3 (GA文庫)(2012/02/16)
森田 季節

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神聖魔法は漆黒の漆原さん (MF文庫J)(2012/01/23)
森田季節

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ドラマCD お前のご奉仕はその程度か?(2011/11/25)
No Operating System

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お前のご奉仕はその程度か?2 (GA文庫)(2011/10/17)
森田 季節

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エトランゼのすべて (星海社FICTIONS)(2011/10/14)
森田 季節

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お前のご奉仕はその程度か? (GA文庫)(2011/07/16)
森田 季節

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NOVA 4---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫)(2011/05/07)
大森 望

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コミック百合姫 2011年 01月号 [雑誌](2010/11/18)
不明

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不堕落なルイシュ2 (MF文庫J)(2010/10/21)
森田季節

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不動カリンは一切動ぜず (ハヤカワ文庫 JA モ)(2010/09/30)
森田季節

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不堕落なルイシュ (MF文庫 J も 2-6)(2010/06/23)
森田季節

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ともだち同盟(2010/06/26)
森田 季節

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桜木メルトの恋禁術(2009/09)
森田 季節

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原点回帰ウォーカーズ〈2〉(2009/05)
森田 季節

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原点回帰ウォーカーズ(2009/01)
森田 季節

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プリンセス・ビター・マイ・スウィート(2008/12)
森田 季節

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ベネズエラ・ビター・マイ・スウィート(2008/09)
森田 季節

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