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黒野さんと武田君 第2話 ももたろう

黒野さんと武田君 第2話 ももたろう


【黒野】「あのさあ、演劇の台本で『桃太郎』作ったんだけど」
【武田】「なんで『桃太郎』なんですか。大学生でやる話じゃないでしょ」
【黒野】「でさあ、こういうことするの初めてなんで、変なところあると思うの。今から台本読むから変なところあったらツッコミ入れていって」
【武田】「桃太郎の話だったらだいたいわかるでしょ……まあ、わかりました」
【黒野】「むかしむかし、お父さんとお母さんがいました」
【武田】「若いな!」
【黒野】「ある日、お母さんは元気な男の子を出産しました。二人はこの子を桃太郎と名づけました」
【武田】「桃、関係ないじゃないですか! しかも、そのネーミング、『桃太郎』って作品が存在してるの前提になってますよ!」
【黒野】「桃太郎は立派な若者に成長しました。桃太郎は両親にこう言いました。『僕は悪い鬼を退治しに行きます』」
【武田】「あ、やっとまともになりましたね」
【黒野】「お父さんは言いました。『ははは、鬼なんて迷信だよ。この科学の時代に何を言っているんだ』」
【武田】「お父さん、正論すぎますよ! 桃太郎がすっごく痛い子みたいになってますよ!」
【黒野】「お母さんがすかさず畳み掛けます。『変なこと言ってないで、もう27歳なんだから就職活動くらいはしなさい』」
【武田】「どこが立派な若者なんですか! 完全にまずい人になってますよ!」
【黒野】「仕方ないので、桃太郎は岡山駅のみやげ物の店でキビ団子を、ペットショップでイヌ・サル・キジを買いました」
【武田】「キビ団子作ってもらえてないし! しかも、そのみやげ物屋で買うっていうのも『桃太郎』って話あるの前提でしょ!? 桃太郎の話なかったら岡山に売ってないですよ! あと、イヌ・サル・キジを金で買うんだったらキビ団子の存在意義ないでしょ!」
【黒野】「桃太郎はポチ・サル・キジを連れて旅に出ました」
【武田】「なんでイヌだけ名前つけた!?」
【黒野】「――自分探しの旅に」
【武田】「やっぱり自分探しかよ!」
【黒野】「桃太郎はポチ・ゴリ・キジのお供を連れ、明石海峡大橋を渡って鬼が島に入りました」
【武田】「その島、絶対に淡路島っ! 鬼いないから! あと、キジにも名前つけてあげて! しかもゴリってつけるようなサルとは種類違うから!」
【黒野】「鬼が島にはタマネギがいっぱい育っており、桃太郎は思わず泣いてしまいました。これがホントの鬼の目にも涙」
【武田】「なんで上手いこと言ったような顔してんですか! 全然上手くないし、桃太郎、鬼じゃないし」
【黒野】「その時、携帯に電話が入りました。就職先内定の通知でした。めでたしめでたし」
【武田】「確かにめでたいな!」
【黒野】「これで桃太郎の自分探しの旅は終わりとなりました」
【武田】「自分探し、しつこい!」
【黒野】「これで武田桃太郎君の話はおしまいです」
【黒野】「なんで、苗字が僕なんですか! もう帰ります!」

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